遺言書(遺言状)とは?

遺言(「ゆいごん」、「いごん」とも読みます。)とは、自分自身に万が一のことがあった場合に、自分の財産(遺産)を「誰に?どれだけ?どのように?」託すか決めるための意思表示のことで、この意思表示を民法の規定に従って残した物が遺言書(遺言状)です。

ひと口に遺言書といっても、実は、次のように類別されます。

遺言の方式とその特徴
遺言の方式特徴
普通方式遺言自筆証書遺言遺言内容の秘密を保てるが、偽造・変造・滅失のおそれがある
公正証書遺言偽造・変造・滅失のおそれがないが、遺言内容の秘密を保てないおそれがある
秘密証書遺言遺言内容の秘密を保てるが、滅失のおそれがある
特別方式遺言危急時遺言一般危急時遺言
難船危急時遺言
隔絶地遺言一般隔絶地遺言
船舶隔絶地遺言

 

では、普通方式遺言について簡単に説明いたします。

自筆証書遺言とは

条件
  • 遺言書の全文が遺言者の自筆で記述(代筆やワープロ打ちは不可)
  • 日付と氏名の自署
  • 押印してあること(実印である必要はない)

遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない(1004条1項)。

公正証書遺言

遺言内容を公証人に口授し、公証人が証書を作成する方式。証人2名と手数料の用意が必要となる。推定相続人・受遺者等は証人となれない。証書の原本は公証役場に保管され、遺言者には正本・謄本が交付される。遺言書の検認は不要である(1004条2項)。

秘密証書遺言

遺言内容を秘密にしつつ公証人の関与を経る方式。証人2名と手数料の用意が必要であるほか、証人の欠格事項も公正証書遺言と同様である。代筆やワープロ打ちも可能だが、遺言者の署名と押印は必要であり(970条1 項1号)、その押印と同じ印章で証書を封印する(同項2号)。代筆の場合、証人欠格者以外が代筆する必要がある。遺言者の氏名と住所を申述したのち(同項 3号)、公証人が証書提出日及び遺言者の申述内容を封紙に記載し、遺言者及び証人と共に署名押印する(同項4号)。遺言書の入った封筒は遺言者に返却される。自筆証書遺言に比べ、偽造・変造のおそれがないという点は長所であるが、紛失したり発見されないおそれがある。

遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない(1004条1項)。