人生に幾度となく訪れる「初対面」というシチュエーション。
そして人間関係が一新する高校生活は、会話のネタに困ったり上手く続かなかったりと悩んでしまうようです。
中学校への進学と違い、新たな高校生活は馴染みある同郷者も少なく初対面であるケースが殆ど!
そんな環境下で自ら会話を生み出さなければならず「何て話しかければいいんだろう…」「どうやって話しかけるんだろう…」と不安だらけではありませんか?
そして「会話のネタ探し」もさることながら、最も肝心なのが「国語力」です。
ただし、国語の授業が高校生活において一番重要と言っているわけではありませんよ?!
以降では、初対面で使えるネタ一覧や、意識的に取り組める「国語力の鍛え方」等をご紹介していきます。
初対面での会話が不安な高校生諸君!感じ考え想像せよ!
初対面における会話の不安は、大なり小なり年齢問わず誰もが経験すると思います。
とりわけ中学生から高校生へなる時は、関わる人間関係の幅がとたんに広くなるはず。
通学における行動範囲が徒歩圏内ではなくなり、バイトや友人とのお出掛け等、社会活動も様変わりし始めます。
私が高校へ進学した時は、新品の定期入れを買ってもらい電車通学になった事で「わーい!大人だぁ~」と感じたほどです。
そんな中、初対面から始まる人間関係の構築は、期待と裏腹に大きな不安や恐怖が伴いますよね?!
今まさに不安と格闘しているあなた!まずは「国語力」を鍛え直しましょう♪
ちなみに、文部科学省が示している国語力は「考える力」「感じる力」「想像する力」「表す力」の4つです。
そして、上記4つを具体的な行動へ置き換え、鍛える場合は「聞く」「読む」「話す」「書く」のトレーニングが必要となります。
私が意識して日常へ落とし込んでいるトレーニングをご紹介するので、ぜひ参考にして頂ければ嬉しいです。
中でも「聞く力=聴く力」が一番重要!私の個人的な解釈ではありますが「聞く=受け身・聴く=能動的」と考えています。
「聞く」という受け身的なアクションを積極的に「聴く」?どういうこと?
「聞く」と「聴く」の一番大きな違いは「身体・頭・心」を使っているか否かです。
身振り手振りを使ったあいづち等のリアクション。話す内容について考えながら、心でしっかりと感じる。
これらが「積極的に聴く」という事です。ただひたすら「うんうん。へぇ~そうなんだ~」と無味乾燥なあいづちを続けるのはNGです。
極端な言い方をすると「会話力=聴く力」です。したがって会話のすべてが「自分発信」である必要はありません。
会話や人間関係に不安や恐怖を抱える高校生諸君!ここ、とっても大事なポイントですよ♪
積極的に聴く
では具体的にどうやって聴けば良いのか?ここで最も重要となるのが、上記にある「考える力」「感じる力」「想像する力」です。
相手が話している会話内容に対して「考え・感じ・想像する」
そして可能であれば、あなたの思考や感情を「言葉・表情・リアクションで表す」さらなる上は「訊く」です。
想像してみてください。例えば同じ高校生のクラスメイトが「バイト始めようかなぁ」と話した場合。
この言葉からあなたは何を考え、感じ、想像しましたか?
「もうバイト始めるんだ。大人だな~」といった、うらやましさを感じますか?
「バイトでお給料もらったら好きな物を買えるな~」という想像をしましたか?
ここで「考え・感じ・想像する」ために必要なコツは「バイトを始める」と言う表面的な事実だけを見ない事です。
もちろん、その事実に対して「へぇ~大人だねぇ~」や「バイトいいなぁ~」と返すのもNGではありません。
しかし、「バイト始めようかなぁ」と話す本人には、その発言へ至る「考えや思想」があったはずです。
その思想に対して考え、感じ、想像してみてください。「家が大変なのかな?」「何か買いたい物がるのかな?」「前から考えてたのかな?」
このように考えたり想像したりする(聴く)ことで、おのずと返す言葉(訊く言葉)が浮かんでくるのではないでしょうか?
「訊く」とはすなわち「問いかける・質問する」という事。これこそが会話のラリーを簡単に続ける秘訣と言えます。
相手からさらなる話を引き出す為には「訊く」必要があります。そして「訊く」為には「聴く」事が最も重要なのです。
初対面というシチュエーションや会話自体が苦手なあなた!とにかく「聴くと訊く」の繰り返しで会話へ挑みましょう。
会話のファーストステップは「話す」でなく「聴く」から始めよう♪
感じ、考え、想像する為の材料
話を少しだけ戻しますね♪上記で会話には「国語力」が必要とお伝えしました。
そして国語力とはすなわち「考える力」「感じる力」「想像する力」「表す力」です。
これら4つの力を発揮する為には、共通して大切なものが必要となります。何だかわかりますか?
正解は「経験や体験」です。マスターデータやビッグデータとも言います。
ではなぜ、国語力にマスターデータが必要なのでしょうか?ここで再度「バイト始めようかなぁ」の例を思い出してください。
表面的な事実だけでなく、その発言へ至った(隠された)思想に対し、感じ、考え、想像して欲しいとお伝えしました。
表面化されていない隠れた部分を、考えたり想像したりするには「材料」が必要です。
マスターデータこそが、その材料。そしてデータ量が多ければ多いほど、考えたり想像したりする力は増大していきます。
すなわち、マスターデータが多ければ国語力はアップし、会話中でも様々な切り返しを出来るようになるのです。
とは言え高校生であれば、持ち得るマスターデータはせいぜい15年分しかありません。
そして、このマスターデータが無い、もしくは少ない事象に関しては誰しも不安や恐怖を抱きます。
何もかも初めてづくしの高校生活は、ほんのちょっぴりしかマスターデータがありません。
そもそも「データが全く無い人たち」と出会うのですから、「何をどんな風に話し感じ行動するのか」予測さえ不可能です。
いくら入学前から「制服・校舎・学科・通学路」等、ある程度予備データを持っていても、不安になるのは当たり前!
実際に通って、出会いを経験し体験しなければ分からない事の方が断然多いからです。
そして初対面と言う限られたシチュエーションで感じる不安や恐怖も、時が経てばあなたの大事なマスターデータへ収められます。
だからこそ、しっかりと向き合い存分に味わってください。
もちろん、不安と向き合うのはかなり難しいです。怖いですし、お腹の辺りがグッとおさえつけられるような苦しさもあるでしょう。
緊張や不安で声が震えたり手汗をかいたりもするはずです。
そんな時は「不安や緊張と向き合っている=大切なものと向き合い前進している」と覚えておいてください。
緊張や不安から苦しくなったり悩んだりするあなたを、私は誇りに思います。
初対面での会話はきっかけを探すor作る
少し理屈っぽい話が多かったので、ここはポップにいってみましょう♪
初対面の会話で「きっかけ」にまつわる悩みも、かなり多いと思います。
上記でお伝えした「聴く力」や「国語力」は、会話がスタートしている時点の話。
すなわちスタートさせる為の「きっかけ」が必要不可欠であり、初対面における大きな難題とも言えます。
そして、この「きっかけ」は「探す」もしくは「作る」必要があります。
- きっかけを探す…「同じ」を探す
- きっかけを作る…プチアクシデントを起こす
「同じ」何かを探してみる
例えば、カバンについてるマスコットやスマホカバーへ入れられたアイドルの写真。持参している飲み物やお菓子等に注目してみてください。
あなたが好きなアイドルやキャラクターと「同じ」もしくは、あなたが好きなお菓子やジュースと「同じ」
これらは、とても話しかけやすいきっかけとなり得ます。
「あ!そのジュース美味しいよね~」「○○好きなんだね~私も…」
しかし上記はあくまでも「自分発信」です。中には「きっかけを見つけても話しかける事ができない」と言うケースもあるはず。
そんな時は、あなたが好きなマスコットやアイドル写真、ジュース、お菓子等を机に出したり、分かりやすく触ったりしてみましょう。
もちろん「自分発信」に比べて会話が生まれる確率は下がります。
ですが「同じものを好きな人」から話しかけられる事により、仲良くなれる確率は一段と上がるのではないでしょうか?!
また「同じ」という点がカギになる為、必ずしも「好き」である必要はありません。
「同じ○○が嫌い」という場合も、会話が続く秘訣になり得ます。
これは、人と関わる上で無意識的に認知的なバランスを保とうとする人間の心理現象「バランス理論」(認知的均衡論)が作用しています。
- 数学が「嫌い」なあなた×数学が「好き」なクラスメイト=バランスが悪い
- 数学が「嫌い」なあなた×数学が「嫌い」なクラスメイト=バランスが良い
このような具合で「同じ」対象物に対して「同じ」感情を抱く場合、人はバランスが良く感じるのです。
したがって「同じ先生が嫌い」「同じ科目が嫌い」「同じ食べ物が嫌い」等も、会話を継続させやすいポイント!
初対面できっかけをつかみ取りたいあなた!まずは「同じ」を見つける所から始めてみましょう。
プチアクシデントを起こす
やや強引な手法ですが、試してみる価値はあるはずです。
ズバリ!「落とし物」と言うプチアクシデントを、あなたが故意に引き起こすのです。
想像してみてください。あなたの隣に座っているクラスメイトが消しゴムを落としたとします。
消しゴム落としたよ~
アッ!ありがと~!
このような会話のラリーを想像したのではありませんか?
時間にすれば、ほんの数秒です。しかし貴重な「きっかけ」であることに変わりありません。
例えば、あなたが好きなキャラクターの消しゴムを落としたとします。
拾ってくれたクラスメイトが、たまたま同じキャラクターを好きだったとしたら?
もしかすると「アッ!ありがと~!」の後に「○○好きなんだね~」等、続く切り返しが生まれるかもしれません。
こうなると、しめたもの!「うん!そうなんだ!○○さんも好きなの?」と会話のラリーが続くはずです。
プチアクシデントは「私に話しかけて~」という祈りを込めた、あなたが仕掛ける小さなトラップ。
故意に「消しゴムを落とす」「ノートを落とす」「教科書を落とす」など、きっかけと希望を詰め込んだトラップを仕掛けてみましょう。
しかし、あまりにもわざとらしく頻繫な落とし物はNG!
「○○さんはよく物を落とす」というレッテルを貼られかねませんので、ご注意を…。
上記の手法で「きっかけ」を掴めたら、とにかく聴く&訊く!
きっかけにつかえそうなネタ一覧
以降は、きっかけに出来そうなネタを一覧でご紹介します。
何を話せばよいのか全く思い浮かばないと言う場合に、役立つはずです!ぜひ参考にしてくださいね。
上記で示したネタをもとに、初対面、もしくは仲良くなりたい相手へたくさん「訊いて」みましょう!
「訊いた」後は積極的に「聴く」です!あなたが持ち得る「国語力」を総動員して聴いてください。
相手が投げ返してくれた会話というボールについて、深く考え、肌で感じ、想像する。
そして表情やリアクション、あいづちを添えて投げ返す(表す)のです。
このようにして、会話のキャッチボールは繰り広げられていきます♪
また、武器(ネタ)を持っていても「使い方」が分らなければいけません。「使い方」すなわちネタに関する情報です。
TikTokやインスタグラムそのものを知っていても「どんな内容が発信されているのか」「どんなシステムなのか」を知っていなければ、武器(ネタ)が無いも同然。
すなわち、ネタを効果的に使いたい場合は「情報収集」も重要なのです。
ステキな人間関係を築く為には「国語力」と合わせて「情報収集」も欠かさず実践しましょう!
必ずしも上記のネタである必要はありませんよ♪「芸能人のゴシップ」や「校内の噂話」でもOKです。
しかし、ゴシップや噂話に関しては「あんまり良くないのでは…」と言うマイナスの印象がありませんか?
人の噂話って、あんまり良くんじゃないの~?
いくら他愛のない会話でも、噂話って広まりやすいし…
驚く事なかれ!アメリカダートマス大学は以下のような研究結果を明らかにしています。
「ゴシップは人間の精神に健康的な効果が有る」というものです。
噂話やゴシップは、社会的なつながり・関わり・交流を促進し、周囲の話を聞くことで外部環境が学べると示しています。
すなわち、極めてどうでもいい内容の井戸端会議(いどばたかいぎ)は、人とのつながりや交流に欠かせない、とても重要な会議。
校内の噂話や芸能ゴシップ等も、きっかけを生み出す優秀な武器(ネタ)と言う事です。
色々な話へ聞き耳を立てるのも、ネタを上手く活用する為に欠かせない情報収集ですよ♪
ちなみに、初対面で避けるべきネタは以下の通りです。
上記はあくまでも「初対面」というシチュエーションに限りNGです。
仲良くなり、関係が深まった後であれば、なんら問題ありません。
上で示したNGネタは、見方を変えると相手の深部(コア)へ踏み込む話題です。
したがって「相手をもっと知りたい」「もっと仲良くなりたい」と考えている場合は、意図的に上記からネタをセレクトするのもGOOD!
しかし、大人数や公の場では、会話に加わっている人や周辺状況をしっかりと観察してからトピックを持ち出しましょう。
初対面の会話におけるコツをおさえよう
ここでは初対面と言うシチュエーションでも使える、ちょっとしたコツをご紹介します。
いっぺんに全てを取り入れなくても大丈夫です!以降に示すものの中で「コレならできそう!」と言う部分から、少しずつ挑戦してみてください。
また、会話におけるNG行動も後ほどご紹介します。
無意識にやってしまいがちな、あなたの「悪い癖」が判明するかもしれませんよ?要チェック♪
見た目が肝心
私可愛くないし…
僕イケメンじゃないよ…
上記の様に考えましたか?ここで重要となる見た目には「整った目鼻立ち」も「ほっそりしたスタイル」も「才能溢れる頭脳」も必要ありません。
必要なのは「清潔感」「美しい所作・仕草」「笑顔」です。
何をどう話せば良いか悩んでるのに、清潔感が大事なの?!
初対面では「なかなか自分から話しかける事が出来ない」という不安要素も大きいですよね?!
はたまた「一度は話しかけてくれたけど、また次も話しかけてくれるかなぁ」等、主に「待ちの姿勢」である場合。
「ただ待つ」のではなく、「清潔感」「美しい所作・仕草」「笑顔」を心掛けて待ちましょう。
少し横道に逸れますが「メラビアンの法則」と言うものを知っていますか?別名「7-38-55の法則」とも言われています。
分かりやすく言うと「見た目が一番大事」という、避けて通れない手厳しい現実。
人との関わりにおいて相手が受け取る情報の半分以上(55%)は「視覚情報」すなわち、見た目です。
上記から分かる通り「何を言ったか」は、たった7%しか影響を与えません。したがって「何を話せば良いか」という悩みは、いささかナンセンスなのです。
「何を話すか」よりも「相手の目にどう映っているか」に気を配るべきと言う事。
爪切りや歯磨き、入浴をおろそかにせず、眉毛や鼻毛のお手入れも習慣化してください。
どんなにイケメン・イケ女でも、爪先が真っ黒だったり鼻毛の手入れをしていなかったりしたら?
目ヤニがついて、髪はボサボサ、着ている服のあちこちにご飯粒…。
初対面でなくとも、なかなか話しかけようとはしませんよね?!
「話しかけて欲しいなぁ~」と思っているあなた!まずは、歯磨きと入浴からスタートしましょう。
そして、待ちの姿勢で欠かせないのが「笑顔」です。とは言えニヤニヤ&ヘラヘラではありません。
口は一文字に結び、口角(唇の両端)へほんの少し力を入れます。可能であれば口角を1~2mm程度上げておきましょう。
暗い表情は避け、柔らかい笑顔でスタンバイしておく事が会話をスタートさせる重要なコツ。
合わせて「口臭」や「体臭」へも気を配るとさらにGOOD!歯磨きや入浴は「待ちの姿勢」に欠かせない重要な日常行動ですよ。
初対面というシチュエーションで、相手はあなたのマスターデータを何も持っていません。
少しでも話しかけてもらいやすいように「見た目=清潔感・美しい仕草・笑顔」を意識しましょう♪
念のため、もう一度お伝えします。初対面における会話では、異性からモテる為の顔やスタイルは不要です。
歯を磨いて、顔を洗ったら口角を少しだけ上げて過ごしてください!
そして可能であれば、あなたの消しゴムを落としてみましょう(笑)
会話のコツは「楽しかった」と思わせる事
「楽しかった」って思ってもらえる話術なんて持ってないよ~
「面白いエピソード」なんて一つも持ってないなぁ~
上記でお伝えした事を再度思い出してください。あなたの話した内容は相手にたった7%しか影響を与えません。
したがって、会話する相手には「あなたが何を話したか」でなく「あなたと話して何を感じたか」の方が残ると言う事です。
会話内で「楽しいトーク内容」はほとんど必要ありません。それよりも、相手に楽しいと思わせるリアクションやあいづち、間合い等の「聴く力」の方が断然重要。
- ○○さんと話せて楽しかった
- ○○さんは、話をちゃんと聞いてくれる
このように思わせる事が会話のコツと言えます。ここでは「国語力」の中にある「表す力」が一番大切!
リアクションやあいづち、時には「間」も使ってみましょう。あなたの考えや気持ちを「表す」のです。
驚いたり、悲しんだり、笑ったり…表情やリアクションを巧みに操り、じっくりと全身で聴いてあげてください。
答えがYes or No以外になる訊き方をしよう
会話内でもし、あなたへ発言ターンがやってきたら。もしくは、きっかけを見つけて話しかけるとしたら。
できる限り相手の答えが「Yes or No」だけにならない訊き方をしましょう。
正確に言うと「クローズドクエスチョン」でなく「オープンクエスチョン」で訊こう!と言う事です。
上記2通りの質問方法では、どちらがより会話を続けやすそうですか?
お気づきの通り、クローズドクエスチョンでは会話がそこで終了してしまう可能性をはらんでいます。
それに対しオープンクエスチョンでは、相手の情報を引き出せる為、そこから新たな切り返しがしやすくなります。
ちなみに、私はコンビニで働いていた時、敢えて「クローズドクエスチョン」と「オープンクエスチョン」を使い分けていました。
忙しいラッシュ時はスムーズに回転させるべく「レジ袋ご入り用ですか?」と聞き、お客さんの回答や反応を限定する。
反対に、暇な時間は「レジ袋はいかがなさいますか?」と聞き回答の幅を広げ、余裕があれば、そこから雑談もはさむ。
ここからも分かる通り、必ずしも「クローズドクエスチョン」が良くないと言う訳ではありません。
状況によっては上手く使い分ける事ができ、あまり話したくない相手との会話を、早く終わらせる事もできますよ♪
「訊く」時は、回答を限定しない「オープンクエスチョン」がおすすめです!
社会的距離から個体距離へ
少し横道へ逸れますが、ぎゅうぎゅう詰めの満員電車に乗った経験はありますか?
なかなか不快ですし、一刻も早く抜け出したいと感じますよね?!
人には周囲との距離で、不快に感じるパーソナルディスタンス(個体距離)があります。
具体的には「両手を広げた範囲」です。そして、そこからさらに近い「密接距離」は家族や恋人の距離となります。
すなわち、満員電車では、ごく親しい人(家族や恋人)しか近づけない距離に赤の他人がいる為、とてつもない不快感を感じるのです。
そして、なぜ会話における物理的な距離が重要なのか?!
密接距離 | インティメイトディスタンス | 0cm~45cm |
個体距離 | パーソナルディスタンス | 45cm~120cm |
社会距離 | ソーシャルディスタンス | 1.2m~3.5m |
公共距離 | パブリックディスタンス | 3.5m~7m以上 |
基本的に友達や同僚と話す距離は「社会距離=1.2m~3.5m」である場合がほとんどです。
社会距離は個体距離(パーソナルディスタンス)と違って、手を伸ばしても届かない距離を指します。
初対面などの不安や緊張をはらむシチュエーションでは、おそらく社会距離よりさらに広く距離を保っているはずです。
話したいなと思っている相手との距離が、いつまでたっても4m、5mでは、きっかけさえ掴めません。
そこでぜひ「仲良くなりたいな」や「話しかけ欲しいな」と思う際には、意識して近づきましょう。
何か発する事が難しければ、ニコニコしながら「社会距離=1.2m~3.5m」をウロウロしてみるのも一つです。
できる限り社会距離の最小値=1.2mを目標に、日頃から近くへ行くよう努力してみてください。
「なんとなくいつも近くにいる」だけでも、会話のきっかけを掴みやすくなりますよ。
ただし、突然パーソナルディスタンス(個体距離)へ近づくのは厳禁!きっかけどころか、不快感を与えかねません。
これらの対人距離は、本来ヒトが進化する過程で「危険から身を守る為」身に着けた必要な防衛機能です。
したがって、少しずつ物理的な距離を縮め「私は危険じゃないですよ~」という印象を、相手へアピールし続けましょう。
そして、近付く事ができたら次は「簡単なボディタッチ」をしてみてください。
とは言え、間違っても一発目から頭(髪)や顔に触れてはいけませんよ?!
ちなみに、私がよく使う手法は「アッ!当たっちゃった!」と「何か付いてるよ?!」です。
たとえば、あなたが消しゴムを拾ってあげたとします。そして手渡す際「わざとだと思われないように」しかし「わざと」触れてみてください。
1秒にも満たない接触(ボディタッチ)でも、相手は無意識下で心理的影響を受けます。
もしくは「何か付いてるよ~」と、服などに付いたゴミを取ってあげるのもオススメです。
この手法については、とあるお笑い番組内「太鼓持ち芸人」でも紹介されていました。
極端な話、本当にゴミが付いている必要はありません。「何か付いてるよ~」は、チョンと接触するための口実だからです。
そして、これらのボディタッチをする為には、上でお伝えした通り、個体距離(パーソナルディスタンス)へ立つ必要があります。
少しずつ相手との距離を縮め、接触を増やす事が仲良くなれるコツです!
こうする事で、相手の警戒心を和らげスムーズな会話を生み出せるようになります。
物理的な距離の近さは、親密さと比例しています。
相手と同じ仕草を真似する
初対面において、言葉を発する事自体が苦手だと感じているあなた!そんな時は、相手の仕草や姿勢を真似してみましょう。
これは心理学的に「ミラー現象」や「ミラーリング効果」「同調効果」等と言われています。
具体的には、相手の姿勢、仕草、視線、リアクション、身振り手振り、話す速度等を真似てみてください。
「相手が飲み物を飲んだら、あなたも飲む」「相手がのけぞったら、あなたものけぞる」「相手が顔に手をやったら、あなたも顔を触る」
真似をすることで、相手にとってあなたが「近い存在」だと植え付けられるのだそうです。
「近い存在」すなわち「危険な存在ではない」というアピールにつながります。
言葉を発する事が苦手な場合でも、取り組みやすい「聴き方」の手法だと思います。
しかし、あまりにもわざとらしい「真似」はNG!
動作の一部を真似たり、タイミングをずらしたりして「真似されてる」と思われないように気を付けてください。
仲良くなる為のコツは真似する事♪
相手が発する言葉や口癖をオウム返し
こちらは、上記の「ミラー現象」と少し似ています。端的に言えば「オウム返し」をするという事。
相手の話に登場するワードを、あなたが発する言葉へ意識して付け加えるのです。
例えば友達が「バイトきつかったぁ~」と話した場合。
ただ「大変だったねぇ」と返すのではなく、「バイト大変だねぇ~」のように切り返す。
すなわち、敢えて相手が発した「バイト」と言う単語を意図的に組み込んで、切り返すのです。
仮にこの友達のバイト先が「アイスクリーム屋さん」だと知っていた場合。
(マスターデータに、友達のバイト先はアイスクリーム屋さんと言う情報がある場合)
会話上級者は相手の「バイトきつかったぁ~」に対し「アイスクリーム屋さん大変だねぇ~」と切り返します。
このオウム返しは、相手の「きちんと会話内容が伝わっているな」と言う安心感につながるとても重要なポイント!
相手が発する単語を引用する事で「ちゃんと話を聞いてくれているんだな」と思わせる事につながります。
さらにマスターデータの引用は「私がアイスクリーム屋さんで働いているのを覚えててくれたんだ」と好感を持ってくれるはず!(時間差オウム返し)
このようにマスターデータと相手が発する言葉を照らし合わせながら、会話するという手法もオススメです♪
私は日頃から夫との会話で「人の名前」や「出来事」を意図的にオウム返ししています。
単に「今日はどうだった?」「仕事どうだった?」と聞くのではなく、「○○さんの○○どうなったの?」と言う具合です。
コツは「オウム返し=相手の言葉をそのまま」です!
仮に会話内で登場する「人の名前」が「あだ名」だったとします。
その際は、あなたが切り返す言葉にも「あだ名」を引用しましょう。
また、相手の話に専門用語等が出てきた場合も、そのままオウム返しします。
もし専門用語の意味が解らなければ「○○ってどういう意味?」と、会話を切り返す手段にもなりますよ♪
しかし、あまりにも頻繫なオウム返しは「バカにされてる」と思われかねませんのでご注意を…。
オウム返しは「ちゃんと伝わってる」「覚えててくれてる」という安心感を与えます。
話し下手が陥る悪い癖とは
「話しが苦手」という場合には、いくつかの共通点があります。
あなたの周りに「話すの得意じゃないんだぁ~」や「話を聞いてもらえるか不安」と言う人はいませんか?
何度も繰り返しますが「話す」必要はありません!「聴く」事が何よりも重要だからです。
以下に話し下手のポイントを挙げておきます。当てはまる部分があった場合は、少しずつ意識して改善しましょう。
かなり耳が痛い項目のオンパレードですよね…。
私も上記を書きながら「気を付けなくちゃなぁ~」と感じていました。
ヒトは本来「自分の話を聞いてもらいたい生き物」です。
しかし、何分もダラダラとオチが見えない話を続けるのはよくありません。
したがって、話す時は「手短にオチから話す」を心掛けましょう。
そして、私が一番気を付けて欲しいと思うのは「人の話を盗らない」「かぶせない」です。必ず相手の話は最後まで聴きましょう。
「聴けない人=聴いてもらえない人」と言う事なのです。
また、俳優の高田純次さんは「思い出話」「自慢話」「説教」はあまり良くないと仰っておられます。
特に男女のミドル世代がやってしまいがちではありませんか?
聴いてもらいたいのは誰でも同じです。「わ~凄いね~!」と言われて嫌な気分になる人は居ませんものね。
かく言う私も「自慢話」は、うっとうしいと感じます。
だからこそ、こういった部分は、逆手にも取れるのですよ?!
「話すのが苦手」や「何を話したら良いか分からない」という場合は、とにかく「聴く」。
「思い出話」や「自慢話」を相手が始めたら、上記の「オウム返し」を使って相手から話を引き出し続けるのです。
そうすると、あなたが話していなくても相手は「ちゃんと聴いてくれている」や「話せて楽しかった」と思ってくれるはず!
無理に話すことなく、相手へ好印象を残せる会話のコツと言えます。
会話下手は聴けない事が多いので、注意しよう♪
まとめ
- 初対面の会話に不安を抱える高校生は国語力を鍛えよう
- 会話のポイントは「聴く」と「訊く」
- 感じ、考え、想像する為には材料となるマスターデータが必要
- 高校生や大学生はとにかく「恋バナ」が一番お手軽なトピック
- 初対面の会話では「話し方」より「聴き方」が重要
- 「何を話したか」ではなく「どう感じたか」が記憶に残る
- 会話のコツは物理的な距離とリアクション(聴き方)
新たな高校生活における不安の大半は「どんな人がいるんだろう」という部分ですよね?
初対面、すなわちマスターデータが無い状況・人・出来事なのですから、緊張や不安は致し方ありません。
少しずつ距離を縮め、相手へ好印象を抱いてもらう事が会話における第一歩と言えます。
あなたの良い印象を植え付けたら、とにかく「聴く」そして五感をフル活用して会話を感じましょう♪
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